【linux】環境変数についてのあれこれ

2025年12月28日

1. 環境変数の一覧表示・設定・削除
2. 環境変数とシェル変数の違い
3. 永続化の方法
4. sudo / sudo su の時の引継ぎ
5. よくある注意点
6. systemdの環境変数
7. Docker実行時の環境変数
8. cronの環境変数

環境変数の一覧表示・設定・削除

# 1. 環境変数の一覧を表示
printenv
# 特定の変数（例：PATH）だけを表示
printenv PATH
# または echo で表示（変数の前に $ をつける）
echo $PATH

# 2. 一時的な設定（現在のセッションのみ有効）
export MY_VAR="Hello World"
echo $MY_VAR

# 3. 削除
unset MY_VAR
echo $MY_VAR  # 何も表示されなくなる

環境変数とシェル変数の違い

シェル変数・・・そのシェル内だけで有効
環境変数・・・exportすることで子プロセスにも引き継がれる

# シェル変数を設定
MY_SHELL_VAR="Only here"

# 環境変数を設定
export MY_ENV_VAR="Everywhere"

# 確認
echo "Shell Var: $MY_SHELL_VAR"
echo "Env Var: $MY_ENV_VAR"

# 別のシェル（子プロセス）を起動して確認
bash -c 'echo "In subshell - Shell Var: $MY_SHELL_VAR"; echo "In subshell - Env Var: $MY_ENV_VAR"'
# 結果: Shell Var は空になり、Env Var だけが表示される

永続化の方法

exportした環境変数はログアウトで消えてしまう。

Bashの場合・・・~/.bashrc（個人の設定）
システム全体・・・/etc/environment

# ~/.bashrc の末尾に追記する例
echo 'export GREETING="Hello Linux"' >> ~/.bashrc

# 設定を即座に現在のシェルに反映させる
source ~/.bashrc

# 確認
echo $GREETING

sudo / sudo su の時の引継ぎ

基本的に引き継がれない。

export MY_SECRET="12345"

# 通常の sudo では引き継がれない（空になる）
sudo printenv MY_SECRET

# 引き継ぐ方法 A: -E (Preserve Environment) オプションを使う
sudo -E printenv MY_SECRET

# 引き継ぐ方法 B: sudo su (現在の環境を維持しようとする ※OS設定による)
sudo su
echo $MY_SECRET

# 引き継がれないケース: sudo su - (ログインシェルとして起動。環境がリセットされる)
sudo su -
echo $MY_SECRET # 表示されない

よくある注意点

PATHの追加方法： export PATH=$PATH:/new/path のように、既存の値を壊さない書き方。
クォーテーションの扱い：スペースを含む値を設定する際のシングル/ダブルクォートの使い分け

systemdの環境変数

ログインシェルの環境変数は基本的に引き継がれない
systemd 独自に環境変数を定義する必要がある

# /etc/systemd/system/sample.service
[Service]
Environment=APP_ENV=prod
Environment=JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/java-17
ExecStart=/usr/bin/java -jar app.jar

# 反映後は再起動
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl restart sample.service

Docker実行時の環境変数

# docker runで渡す
docker run -e APP_ENV=prod -e LOG_LEVEL=info myapp

# envファイルを使う
# app.env
APP_ENV=prod
DB_HOST=db

docker run --env-file app.env myapp

# docker compose
services:
  app:
    image: myapp
    environment:
      APP_ENV: prod
      LOG_LEVEL: info

cronの環境変数

デフォルトでは何も設定されていない
シェルの設定ファイルは読まれない

# crontabで設定
crontab -e

APP_ENV=prod
PATH=/usr/local/bin:/usr/bin:/bin

# cronではなく、実行するshに設定
#!/bin/bash
export APP_ENV=prod
export JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/java-17

/usr/bin/java -jar app.jar

* * * * * /usr/bin/java -jar /opt/app/app.jar

* * * * * /opt/app/run.sh

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